「
WWWサーバーの魅力」で述べたとおり、Web
サーバーを構築することによってWebページの制作に一切の制限がなくなります。これによってPerl や PHP などのプログラミングが嫌いだった方も少しでも勉強してみようかな、という気になるのではないでしょうか?Web
サーバーは、もう他人からレンタルするのは嫌だ、ステップアップしたいなどと考えている方にとっては、そのきっかけを与えてくれるものです。Web
サーバーの構築方法さえ覚えてしまえばFTPサーバーやメールサーバーなども要領は同じなので、比較的容易に構築することができますし、さらにサーバーについてもっと深くまで追求できるようになるでしょう。しかし、そのための第一の関門としてWeb
サーバーは必ず乗り越えなくてはなりません。わからない部分も当然、たくさんでてくると思いますが、そこを試行錯誤で自己解決してこそ、ステップアップに繋がるので頑張って取り組んでみてください。
インターネットは、皆さんもご存知の通り、Webページ閲覧の要求を発するクライアントと、それに対して結果を出力するサーバーがあって初めてコミュニケーションが成り立ちます。HTTPはこのリクエスト(要求)とレスポンス(応答結果)から成る非常に単純なプロトコルとして形成されています。サーバー側はクライアントから要求されたものを内部処理をして、クライアント側のブラウザにその結果を表示することで、クライアントはWebサイトを閲覧することができるような仕組みになっています。今までのようにクライアントととしてWebサイトを閲覧していた場合とは異なり、今度は皆さんがクライアントに対してその要求を返してあげなくてはならない立場になります。
それでは、まず簡単にWeb サーバー構築の流れを以下に記します。
■IIS?それともApache?
さっそく上表の順番通りにWeb サーバーをインストールするわけですが、Web サーバーソフトにはいくつかの種類が存在します。有名なものに、Windows95/98用にマイクロソフト社が開発した「PWS(Personal
Web Server)」、WindowsNT Server、Windows2000serverに標準付属する同社の「IIS(Internet
Information Server)」と、世界NO.1シェアを誇り、60%以上の人々が使用しているとも言われる「Apache」があります。IISはWindowsユーザーにとってはインストール作業が容易でWebアプリケーションを実行する環境も整っています。そのためか、セキュリティに無頓着なまま運営しているケースも否めず、実際にその被害件数は相当な数にのぼっています。また、セキュリティホール発見件数からみても、Apacheの2倍以上は報告されており、セキュリティ面での問題が指摘されています。マイクロソフト社の製品であること、セキュリティホールが多数あること、といったことから起因し、Apacheよりも狙われる可能性が高く、且つWeb改ざんの成功率が非常に高いといえます。それに対して、ここ最近セキュリティホールが報告されていないのがApacheで、最新バージョンを利用して適切な管理さえ行っていればセキュアなWebサーバーとして運用することができます。
これらの理由から当サイトではApacheを中心に解説を進めていきますが、Apacheよりももっと簡単にWeb サーバーを構築できる「AN
HTTPD」という日本語のWeb サーバーについても解説していきます。GUIベースなのでWindowsユーザーにとっては操作性は抜群で機能もかなり豊富です。いきなりApacheはちょっと難しすぎてつらい、Web
サーバーをいち早く体験してみたいという方は「AN HTTPD」を選択した方が良いでしょう。
■AN HTTPDとApacheの特徴と比較
「AN HTTPD」、「Apache」共にWWWサーバーソフトとしてはとても高機能なのでどちらを選択しても構いません。個人的にはAN
HTTPDの方が設定方法が簡単で好きなのですが、より一層のレベルアップを図りたいという方には、扱いは難しいですが(そのように感じるのも最初だけですが)、多機能でセキュアなApacheに挑戦してみることをお勧めいたします。なお、参考までに管理人が両ソフトを使用して気づいたことをひとつだけ挙げるとすると、AN
HTTPDの方がApacheよりも処理速度が遅いような気がしました。勿論、その速度を正確に測ったわけではなく体感速度での話なので実際のところはどうだかわかりません。興味のある方はわざと重いページを作成してベンチマークを測ってみるなどして試してみると良いかもしれません。以下にはそれぞれのソフトの特徴を簡単に挙げておきます。
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AN HTTPDの特徴 |
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Apacheの特徴 |
AN HTTPDはGUIなので、視覚的に見やすくWindowsのソフトに馴れ親しんでいる方にとっては、こちらの方が使い勝手が良いはずです。デフォルトであらかじめ設定が入力されているため、簡単に設定を変更することができます。
CGIやSSIにも対応しており、LAN内で動作確認を行えます。また、バーチャルホストの機能を使うことによって複数のWebサイトを仮想的に構築することができます。プロキシ/キャッシュサーバとして動作させたり、ディレクトリ単位のBasic認証機能なども備えています。
なにより一番の魅力は日本語であるという点で、英語が苦手で読む気がしないという方にはぜひともお勧めできます。なお、旧ヴァージョンには重大なセキュリティホールも含まれているようなので、できるだけ最新版、もしくは安定版を使うことを推奨します。
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Apacheは先にも述べたとおり、インターネット上のWebサーバーの主流ともいえるサーバーウェアです。性能、機能、速度ともに非常に高いレベルを誇っています。しかし残念なことに、ApacheはUNIX生まれのサーバーウェアのため、Windowsユーザーにとっては決して使いやすいとは言えません。設定を変更する際は、「httpd.conf」というファイルをメモ帳などで編集しなくてはならないため、多少戸惑う面もでてきます。機能面では左で説明した「AN
HTTPD」が持っている機能はほとんど有しています。モジュールを追加することによって機能を拡張することができます。また、強力な認証機能もあります。
Apacheは基本的にはディレクティブを編集することによって設定をカスタマイズしていきます。その数もかなりの数にのぼり、機能的には申し分ありません。Apacheは全て英語なので敷居が高くてあきらめる人も結構いるのではないかと思いますが、慣れてしまえばそんなに難しいものでもありません。
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