ここで、メールリレー機能について少し触れてみましょう。メールサーバーには、メールを中継するためのリレー機能(Third-Party
Mail Relay)があります。しかし、このリレー機能を悪用されてしまった場合、メールサーバーに大量のスパムメールを送信される(=
おくりつけられる)ことがあります。メールの受信者は最後にメールを中継(= リレー)し、送信してきた(=
おくりつけてきた)メールサーバーがスパムメールを仕掛けた張本人であると疑うことでしょう。不正にメールを中継しているため、犯人が特定しづらくなります。自分がスパムメールの被害者ならまだしも、もしも、何の制限もかけずにリレー機能をONにした場合は、メールの不正中継に利用され、自分が加害者になってしまうケースも十分にあり得ます。メールリレー機能を使用する場合にはメールサーバーにメールリレー対策を十分に施すようにしてください。
■POP before SMTP機能
では、このようなメールの不正中継を防ぐためにはどうすれば良いのか?そこで登場するのが、POP
before SMTPという機能です。インターネットプロバイダによってはこのPOP before SMTPと呼ばれる形式によって先にPOP認証(メールの受信)を行わないとメールの送信ができないようにシステムを構築している場合があります。これは、まさしくスパムなどの不正なメール中継を行わないためで、POPのパスワード認証を行うことでセキュリティを確保しているのです。
「SMTP Authentication」タブをクリックしてください。「Enable SMTP Authentication」はSMTP認証を有効にする、「Use
POP3 User Names and Passwords」はPOP before SMTP機能を使用するという意味です。両方ともチェックボックスをつけておきましょう。
「Enable SMTP Authentication」のチェックをつけ忘れたりすると、SMTPの認証が行われず不正中継の踏み台として利用される恐れがありますので必ずチェックをつけてください。「Do
NOT Authentication Following IP Addresses」には、サーバーとメールクライアントソフトを同じコンピュータ内で使用する場合にはループバックアドレス「127.0.0.1」を入力してください。もし、LAN上の別のコンピュータからメールを送受信する際にはプライベートアドレス(例:「192.168.XXX.XXX」)を入力してください。また、実際にメールサーバーを運用する段階の場合は「127.0.0.1」を必ず削除してください。以上でオプションの設定は完了なので「OK」をクリックしてください。
まず、Argosoft Mail Serverを起動させて、「Option」→「Ports」タブをクリックしてください。POP3の欄はデフォルトでは「110」が指定されていますが、ここで1024番以降の数字に変更してみます。これによって、アンチウィルスソフトとPOPポート番号が競合するのを防ぐことができます。ここでは仮にポート番号を「1025」を指定します。
次にMicrosoft Outlookが使用する規定のPOPポート番号を変更する手順について解説します。Microsoft
Outlookを起動して、「ツール」→「アカウント」から先ほど作成したメールアカウントをダブルクリックして「win.kororo.jpのプロパティ」画面を表示させます。プロパティ画面から「詳細設定」タブをクリックしてください。以下図で「受信メール(POP3)」の欄はデフォルトでは「110」番と入力されていますが、ここでは、ポート番号を変更して「1025」と入力します。この番号は上述したArgosoft
Mail Serverで設定したポート番号と同じである必要があります。以上の設定でメールサーバーは1025番ポートを使ってメールの受信を行えるようになります。尚、ここでポート番号を変更した場合はルータのポートフォワーディングの設定も併せて変更してください(例:80 TCP 192.168.0.2
)。