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Apacheについて解説していきます。まだインストール作業を終えていない方は「Apache2.0の導入/インストール」を参考にしてください。Apacheの設定は、基本的には「conf」フォルダの中にある「httpd.conf」ファイルをメモ帳などのテキストエディタで開いて編集していくだけです(なお、TeraPad秀丸エディタなどの専用のテキストエディタを使用すると作業効率が格段にアップします)。「httpd.conf」はApacheを標準でインストールした場合は、「C:\Apache2\conf」の中に格納されています。実際に、「httpd.conf」を開いてみると、1000行を超える英文がずらりと書かれています。これを見ただけであきらめないでください。一見すると、設定がすごく難しそうに見えるのですが、実は「httpd.conf」の構造さえ理解してしまえば、それほど難解なものではないとわかってもらえるでしょう。

それでは、「httpd.conf」の説明に入る前にまず、その構造について説明していきます。構造さえ理解してしまえば、実際に編集に移る際にかなり楽になるので是非、一読しておいてください。設定の実践は、「Apache とにかくこれがやりたい!」「Apacheの設定 PART①」「Apacheの設定 PART②」に分けて説明してあるのでそちらも合わせて読み進めていってください。




 


「httpd.conf」を開いてみてもらえばわかるとおり、その大半がコメント部分となっています。行の先頭にハッシュマーク(#)がついている部分がすなわちコメント部分です。ハッシュマークが先頭についている場合はコメントアウトされている状態で、つまりファイル自体は読み込まれるが、書かれてあることは無視されるようになっています。このコメントには大別して2種類の役割に分けることができます。

ひとつは、ほんとに単なるコメントで、すぐ下にあるディレクティブ(後述)についての解説が記述されています。HTMLを作成する際に、注釈などをつけたい場合は<!--ここからテーブルの始まり-->などのように自分がソースを見たときにわかりやすいようにコメントタグを追加していきますよね。先頭にハッシュマーク(#)のついた行はそれと同じ意味です。もうひとつは、ディレクティブとしての機能は有しているが、デフォルトでは使用しない設定にする役割を持っています。つまり、ある特定の機能を使用しない場合は、ハッシュマーク(#)をつけて無効にするわけです。以上をまとめると、

■コメント(ハッシュマーク)の役割

①コメントの下に記述されているディレクティブについての注釈

②ディレクティブを無効にする


ということになります。


 


「httpd.conf」をじっくり見てみていくと、「### Section 1: Global Environment」「### Section 2: 'Main' server configuration」「### Section 3: Virtual Hosts」と書かれた記述を見つけることができます。「httpd.conf」は基本的にこの3つのセクションに分かれており、それぞれ以下のような役割を担っています。

■Section 1: Global Environment

Apache全体に関わる動作を決定するためのセクションです。


■Section 2: 'Main' server configuration

メインとなるサーバーの設定項目が含まれるセクションです。ApacheではSection3 に記述されている「VirtualHost~」を使ってあたかも複数のサーバーが立ち上がっているように仮想的に見せることができますが、そのためにはまずメインとなるサーバーが正しく動作していなくてはなりません。Section2ではこのメインサーバーに関する設定を行う項目がまとめられており、Apacheの基幹とも言える重要なセクションです。


■Section 3: Virtual Hosts

Virtual Hostに関する設定が含まれているセクションです。複数のサイトを公開したい場合は、ここで設定を行います。作成できるVirtualHost の数は無制限です。






「httpd.conf」は、ほとんどがハッシュマーク(#)のついたコメント部分で構成されていますが、ところどころにハッシュマーク(#)のついていない行があるのを確認することができます。そのハッシュマーク(#)のついていない行がディレクティブ(Directive)と呼ばれる部分で、Apacheに対し実行するように指示をするためのものです。つまり、ハッシュマークのついていない部分は、ディレクティブ(≒機能)として動作していることを意味しています。意味のないディレクティブや自分にとっては不必要なディレクティブなどは、先頭にハッシュマークをつけてコメントアウトしても構いません。ディレクティブは以下の2つに分類されます。

■コアディレクティブ

Apacheのコアとなるディレクティブのことで、Apache全体に影響を与えるディレクティブです。コアディレクティブは、その機能により次の2種類に分類されます。

①サーバーコンフィグディレクティブ

「サーバーコンフィグディレクティブ」は、サーバーそのものの設定およびサーバーに格納されたファイルや他のオブジェクトの処理を規定するためのディレクティブです。これらは基本的に「httpd.conf」のどこにでも記述することができますが、特定のディレクトリ内に置く「.htaccess」の中には記述できません。

②コンテナコンフィグディレクティブ

「httpd.conf」には「<Directory XXX>・・・</Directory」や「<IfModule XXX>・・・</IfModule>」という記述があります。これらは、引数として記述された特定のディレクトリやファイル、特定のホストに限定して指定を行うものです。



■モジュールディレクティブ

Apacheは、モジュールを追加することにより機能を追加できるようになっています。モジュールは、C:\Apache2\modules にまとめて格納されています。httpd.conf では、以下に示すLoadModule ~で始まる行が、いわゆるモジュールディレクテイブといいます。先頭にハッシュマークがあるモジュールは、デフォルトで読み込まれないようになっています。

LoadModule access_module modules/mod_access.so
LoadModule actions_module modules/mod_actions.so
LoadModule alias_module modules/mod_alias.so
LoadModule asis_module modules/mod_asis.so
LoadModule auth_module modules/mod_auth.so
#LoadModule auth_anon_module modules/mod_auth_anon.so

省略



■空白行

「httpd.conf」における空白行はただ単に見やすくするためのものです。自分が見やすければ、自由に行間を詰めたりあけたりしても構いません。

■注意事項

「httpd.conf」を編集したらApacheを必ず再起動 [Restart] してください。再起動しないと設定が有効になりませんので注意してください。




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