HDL-250U の考察「中身はLinuxだった!」
今日はさっそくi-o data のサポートセンターに電話してLANDISKのHDL-250Uの疑問点について質問を投げかけてみた。質問したのは以下の4点についてだ。
■1.ファイルフォーマットの形式は何か?
■2.USB直接接続は可能か?
■3.メモリ搭載量によって書き込み速度が向上するのか?
■4.プリンタサーバについて
質問の解答についてひとつづつ説明していこう。
■1.ファイルフォーマットはどんな形式か?
一番驚いた回答が返ってきたのがこの質問だった。HDL-250U はLinux OSがインストールされているらしく、Windows で使用されているFATやNTFSファイルシステムではない。どうやらext2 ファイルシステムが使われているようだ。今までにバックアップしておいたものをまとめてHDL-250Uにバックアップをとっていたところ、時々ファイルコピー時にエラーが発生する。この原因はファイル名規則の違反によるもので、最初はNTFSに保存してあったものをFAT32に移動しているために発生するファイル名規則違反だと思っていたが、ファイルフォーマットがext2 ならばこの違反も説明がつく。これらのファイル名規則違反は、ファイルをリネームしてからじゃないとコピーすることができない点でちょっと不便さを感じる。
使用OSがLinuxとわかった以上、我が家のFedora Core にてちょっと調べてみた。まず、nmap を使ってポートスキャンしたら以下のような応答が返ってきた。
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# nmap -O 192.168.100.100
PORT STATE SERVICE
80/tcp open http
139/tcp open netbios-ssn
515/tcp open printer
Device type: general purpose
Running: Linux 2.4.X|2.5.X
OS details: Linux Kernel 2.4.0 - 2.5.20
Uptime 1.121 days (since Sun May 22 13:02:15 2005)
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スキャンした結果を考察してみる。まず、80番、139番、515番ポートが開いた状態になっている。ということは、ApacheやSamba、プリントサーバがこのHDDにインストールされているということが推測できる。またカーネルのバージョンも表示される。
そこでApache のバージョンを調べるべく、以下のコマンドを実行してみた。対象ホストのサーバーバージョンを調べる際のお決まりの方法だ。
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# telnet 192.168.100.100 80
Trying 192.168.100.100...
Connected to 192.168.100.100.
Escape character is '^]'.
GET / HTTP/1.0
HTTP/1.1 200 OK
Date: Mon, 23 May 2005 06:48:55 GMT
Server: Apache/1.3.26 (Unix)
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上記のコマンドの結果、Apache1.3.26 のバージョンが使われていることがわかる。相変わらず企業は1系のApacheが好きである。
今度はSamba にアクセスしてSamba のバージョンを調べてみよう。Samba クライアントを使用して調べてみたところ、以下のような結果が返ってきた。Samba バージョンはSamba 2.2.11-ja-1.0であることが見てとれる。共有フォルダはデフォルトで用意されている「disk」ディレクトリが作成されていることがわかる。
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# smbclient -L landisk
Password:
Domain=[WORKGROUP] OS=[Unix] Server=[Samba 2.2.11-ja-1.0]
Sharename Type Comment
--------- ---- -------
disk Disk All Jenre
IPC$ IPC IPC Service (HDL series)
ADMIN$ Disk IPC Service (HDL series)
lp Printer
Domain=[WORKGROUP] OS=[Unix] Server=[Samba 2.2.11-ja-1.0]
Server Comment
--------- -------
LANDISK HDL series
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今度は仮に「iPod」ディレクトリを作成し、そこに曲ファイルをいれてアクセスしてみることにした。きちんとアーティスト名が表示されているのがわかるだろう。
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# smbclient //landisk/ipod
Password:
Domain=[WORKGROUP] OS=[Unix] Server=[Samba 2.2.11-ja-1.0]
smb: \> ls
. D 0 Mon May 23 11:21:23 2005
.. D 0 Sun May 22 22:11:10 2005
Emmylou Harris D 0 Sun May 22 08:20:25 2005
&G ( 19 D 0 Sun May 22 08:21:14 2005
Ace Of Base D 0 Sun May 22 08:22:46 2005
Aerosmith D 0 Sun May 22 08:24:34 2005
aiko D 0 Sun May 22 08:25:48 2005
Amanda Marshall D 0 Sun May 22 08:26:04 2005
ASKA D 0 Sun May 22 08:28:17 2005
省略
smb: \>
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以上のことから、Linux からも普通にディレクトリを作成したり、ファイルをコピーすることが可能となっており、Linux ユーザにとっては極めて便利だ。ということで、次は二つ目の考察にいってみよう。
■2.USB直接接続は可能か?
この件に関しては、ファイルシステムがext2であることがわかった以上、WindowsマシンとHDL-250UをUSB直結で接続してディスクの中身を閲覧することは当然、不可能になる。ファイルシステムが異なるのだからデータそのものがWindows 上から見えるわけがない。だが、LinuxからUSBリンクケーブルを使って直結したらどうだろうか。これに関しては後々検証してみようと思う。だが、USBリンクケーブルはなにげに高いのですぐに検証するとは限らない。
■3.メモリ搭載量によって書き込み速度が向上するのか?
これに関してはサポートセンターからは答えを得られなかった。このあたりの検証もベンダー側としてきちんと行っておいてもらいたいものだ。安いメモリでも買ってきて実際に検証してみるしか方法はない。
■4.プリンタサーバについて
先ほどのnmap でもわかったように、HDL-250Uにはプリンタサーバがインストールされている。しかし、このプリントサーバ機能はあまり便利なものとは言えない。自分はてっきりLANDISK にプリンタドライバをインストールすればどのパソコンからも普通に印刷できるものだと思っていた。現にプリントサーバとはそういうものだ。1台のマシンにプリンタドライバさえインストールしておけば個々のPCにドライバを逐次インストールする必要はない。しかし、このHDL-250Uは私の期待を大きく裏切った。プリンタドライバは、HDL-250Uにインストールするものではなく、個々のPCにインストールしなければならないそうだ。これではあまりに不便すぎるではないか。いま、自宅で立てているプリントサーバを使用したほうがマシになる。この機能については却下だ。使うことはないだろう。
以上で、検証は終了。なにものかもわからないHDDがLinuxだとわかったことは収穫だ。システムさえわかれば怖いものはない。
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